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ファジィ関係

ファジィ関係とは、その名の通り、ファジィな関係を表す手法です。例えば、人間関係であるとか、物の類似関係など、関係に度合があるものを表すのに役立ちます。こういった関係は必ずあいまいさがあり、関係がある、ないという風にすっぱりと分けることはできません。そこで関係の強さに応じて0から1までの間で、度合を表現することでファジィ関係として、うまく表すことができるわけです。

ここでは、具体例として人間の友人関係について扱ってみたいと思います。例えば、A、B、C、Dの4人の親しさの関係について考える場合、考えられる関係はAとB、AとC、AとD、BとC、BとD、CとDの6通りになります。これを図的に表してみると図4.1のようになります。ここで関係の度合は図に示すように決めました。


4人の親しさの関係
図4.1 4人の親しさの関係

これで、4人の親しさを表すことができました。図4.1の関係では、AとB、CとDが特に親しく、BとCがあまり親しくないことが表せました。これを行列の形で表すと図4.2のようになります。


行列形式
図4.2 4人の親しさの関係(行列形式)

ここで、自分自身との関係(AとAや、BとBなど)が1.0となっていますが、これは自分自身との関係(親しさ)ですから、1.0で当然ですね。また、この行列は対称行列となっていますが、これはAとBの関係をAから見た場合と、Bから見た場合とで2種類あるわけです。つまり、図4.1ではどちらから見た場合でも同じに扱っていましたが、これをどちらから見たかによって違う関係とすることもできるわけです。つまり、AはBをとても親しいと思っているが、Bはそうは思っていないといったことも表現できるわけです。図4.3にこのような場合を表してみます。


4人の親しさの関係(対称でない場合)
図4.3 4人の親しさの関係(対称でない場合)

こうすると、よりリアリティーのある人間関係が表現できます。このように、ファジィ関係では単純には分類できないような対称を扱うときに非常に役に立ちます。世の中には、単純に二つに分けられないもののほうが多いわけですからファジィ関係は、現実世界のものをモデル化するのに大変優れているといえるでしょう。

1999/09/16